口臭の原因とは?

体臭相談室

口臭の原因

1999年の厚生省(現厚生労働省)保健福祉動向調査によると、3万3千人の調査対象者のうちおよそ10%の人が口臭を気にしていると答えたそうです。
この中には口臭が無いのに気にしているという人も含まれていて、どれだけの人が口臭に対して敏感になっているかが分かります。
現在では、口臭は加齢臭や体臭と並んでスメルハラスメントと言われて、社会問題化しています。

しかし、ただ気にしているだけではどうにもなりません。
しっかり対策をしないと周りの人から迷惑がられてしまいます。
対策を立てるには原因を知ることが必要です。
口臭の原因物質は揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれるものです。
この物質を増やす原因として生理的口臭病的口臭があります。

生理的口臭とは?

生理的口臭

生理的口臭は、自然な口の臭いのほか、食べ物タバコアルコールなどによって生じる口臭のことです。

実は誰にでも口臭はあります。
特に起床時や緊張した時、空腹時などは唾液の分泌が減り、細菌が増殖しやすくなってVSCの産生量が増えるため口臭がきつくなります。
また、口臭を発しやすい食べ物としてはニンニク、ニラ、ラッキョウなどがあります。
中でもニンニクは成分が腸から吸収されて血液中に溶け込み、体中を循環して肺に入って息として吐きだされるため、次の日までも臭いが残るようなことになります。
アルコールを摂取すると、肝臓で分解されてアルデヒドという物質が産生されます。
これも血液に溶け込んで口臭の元になります。
さらにアルコールの利尿作用によって体の水分が奪われ唾液の分泌量が低下することも口臭が発生しやすくなる理由の一つです。
タバコもタールの臭いとニコチン、一酸化炭素による唾液の分泌量低下によって口臭の原因となります。

口内の病気による病的口臭

汚い歯

口臭の原因となる口内の病気の代表的なものは虫歯歯周病です。
虫歯は歯の隙間に残っていた食べ物のカスが分解されてできる歯垢や、それが歯にこびりついた歯石が原因でできます。
この歯垢や歯石を細菌が分解する際に発生される酸が歯を溶かすのですが、この酸の臭いと食べカスの分解臭が混ざって悪臭を放つのが虫歯による口臭の原因です。
歯周病と言いますが、実はこれはそういう名前の病気があるわけではなく、歯の周辺の疾患の総称のことです。
歯周病の原因の歯周病菌が増えることで歯茎が腫れたり出血したり、歯槽骨が溶けるなどの現象が起こります。
そして、歯周病菌はVSCを発生するので強烈な口臭を生み出してしまうのです。

内臓の病気による病的口臭

病的口臭

内臓の病気、特に胃腸の病気は口臭の原因になりやすいものです。
消化不良を起こすと、食べたものが胃の中にとどまって発酵します。
するとニオイ物質が腸から吸収されて血液に溶け込み、体を循環して肺に入り臭い息となって排出されます。
この臭いは卵の腐ったような臭いです。
また、腸が弱ると腸内の細菌バランスが崩れて悪玉菌が増加し、ニオイ物質を発生させます。
それが消化不良の場合と同様に血液に溶け込んで口臭の原因となるのです。

他にも、肝臓の働きが低下すると普段は分解されるニオイ物質が分解されずに血液に溶け込んでしまいます。
この場合はアンモニア臭ネズミ臭が発生し、口の中が苦くなります
重症になるとかび臭さや腐乱臭とニンニクの混ざったような臭いがしてきます。
糖尿病になってもケトン体という強いにおい物質が発生し、甘酸っぱい口臭が発生しますし、呼吸器系の疾患や鼻炎でも口臭が発生します。


口臭の原因は以上のように多岐にわたります。
原因を突き止めてそれに対する対策を取ることで口臭を撃退することも可能です。
特に生理的口臭の場合は比較的改善が容易なのですぐに対処しましょう。
また、心当たりがないのに口臭がする場合は何かの病気にかかっている可能性もあるので医師に相談してみましょう。
口臭は病気のバロメーターにもなるのです。

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