ストレスで口臭が起こること、知っていましたか?
現代は「ストレス社会」であると言われます。
様々な技術が進歩して毎日の生活は便利に楽しくなりましたが、その分人々は時間ややることに追われストレスが増加している、という考え方です。
しかしこのような見方は、いいことよりも悪いことが気になってしまう人間の本質に因るもの、という考え方もあります。
つまり物事の捉え方によって、感じるストレスは軽くも重くもなるということです。
ストレスは誰でも感じるものだし仕方がない、と思っていませんか?
もちろん、ストレスの原因を減らすことができたり、運動や趣味でうまくリラックス出来ていれば心配ありませんが、仕事や生活に追われている間にどんどんストレスが溜まってしまうと、体調不良につながったり、病気の原因となってしまうケースがあります。
そして意外かもしれませんが、ストレスが口臭を引き起こすこともあるのです。
ストレスはこうして口臭を強めてしまう
面接や試験など、強い緊張が続いてストレスを感じるとき、口のなかはかなり乾いています。
そもそも唾液は「分泌するぞ」と思うものではありませんよね。
唾液の分泌は自律神経で自動的にコントロールされていますが、ストレスがかかるとこの自律神経のバランスが乱れて、唾液の分泌量が普段の7割ほどに減少してしまいます。
唾液量が減少すれば雑菌が繁殖しやすい環境になって、口臭が強まるわけです。
通常このような口臭は一時的なもので、ストレス状態が終わったり水を飲む、食事をするなどして唾液量が増えれば、臭いも解消されます。
ただしストレスが継続すれば唾液分泌の抑制も続き、ドライマウスと呼ばれる口腔乾燥症になるケースもあります。
また、ストレスを感じたときの唾液の質の変化が口臭に関係しています。
リラックス時の唾液は透明でサラッとしていますが、ストレスを感じたときの唾液はネバネバとしています。
粘ついた唾液には糖タンパク質であるムチンが含まれ、ムチンをエサとする細菌が増殖しやすくなって、口臭へとつながるわけです。
ストレスから消化器系の調子が悪くなると、病的口臭を引き起こす可能性があります。
またストレスによる唾液量の減少によって、口のなかが酸性に傾き歯が溶けやすい状態になれば虫歯が悪化してしまい、今度は虫歯による口臭が発生してしまうかもしれません。
ストレスによる口臭を緩和するには
自律神経には、緊張・興奮時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経があります。
ストレスを受けて唾液量が減少するときには交感神経が優位になっています。
つまりストレスによる口臭を防ぐためには、副交感神経を優位にして唾液量を増やす必要があります。
単純ですが効果的なのが、食事をよく噛んで食べることです。
よく噛むことで唾液量が増えるだけでなく、食べ物が腸内にあるときには副交感神経が優位になります。
特に食物繊維の多い食べ物を摂ることで、腸内で食べ物を処理する時間を長くすることができます。
唾液が出やすい梅干しや昆布を食べたり、ガムを噛んだりするのも効果的です。
そのほか、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かること、睡眠時間をしっかりとり規則正しい生活時間を心がけること、適度な運動をすることや冷房・暖房に頼りすぎずに体温調節機能を高めることなども、副交感神経を優位に保つのに役立ちます。
また、自律神経のバランスを乱す喫煙は控えるようにしてください。
口腔内や鼻・喉にもほかの内臓にも特に病気がないのに強い口臭が続く場合、確かにストレスが原因となっている可能性はあります。
しかし「自分の口が臭いのでは」と疑ったままでは、それ自体がストレスとなってより口臭を強めかねません。
しっかりと予防策をとったら、自信を持って前向きにストレス解消に向き合うことも大切ですね。
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