空腹時にも生理的口臭が発生することがあります
口臭はいろいろな時に発生します。
虫歯や歯周病、内臓系の病気などの場合は、常に口臭がしますが、一時的な口臭もあります。
緊張した時や朝起きた時なども口臭がする時があります。
これを生理的口臭と言って、誰にでも発生することがある口臭です。
そんな生理的口臭の原因の一つに空腹があります。
お腹がすいたときに口臭がするのを感じたことがある人もいるのではないでしょうか。
空腹時の口臭はなぜ発生するのでしょうか。
また、その口臭を抑える方法はあるのでしょうか。
空腹時に口臭が起こる理由~唾液の減少
生理的口臭が発生する時は、たいてい唾液が少なくなっている時です。
唾液は口の中の細菌の繁殖を抑えて清潔に保ってくれるので、それが少なくなると口臭が発生するのです。
唾液は空腹時にも減少してしまいます。
食事をするとあごを動かしますから、その動きによって唾液がたくさん分泌されます。
しかし、食事が終わるとあごを動かさなくなるため唾液の分泌量が減少するのです。
唾液の量が減ってくるのは食後1~3時間程度と言われています。
その頃から口内の細菌が増加するため、口臭の原因である揮発性硫黄化合物が発生します。
これが空腹時の口臭の一つ目の原因です。
空腹時に口臭が起こる理由~膵液の分解
また、空腹時には胃の中で膵液が分解されてガスが発生し、それが原因で口臭が発生することもあります。
膵液は膵臓で分泌される消化液で、食べ物を分解するために必要なものなのですが、空腹時には胃に食べ物がなく空っぽの状態のため、胃で膵液が分解されてしまいます。
その時に口臭の原因となるガスが発生してしまうのです。
このガスが胃から血液に排出され、全身を巡って肺に入り呼吸となって吐き出されるため口臭が発生します。
この口臭は肺から臭ってくるため、歯磨きなどで治すことはできません。
また、この場合は悪臭の成分が全身を巡っているので、その際に毛穴からも排出されて体臭が発生することにもなってしまいます。
空腹時の口臭対策
空腹時の口臭対策としてまず挙げられるのが間食をすることです。
もしも、空腹時に物を食べることが可能であれば、少しだけ何か食べてしまいましょう。
これが最も有効な手段です。
こうすれば唾液の分泌も促すことができますし、空っぽの胃で膵液が分解されてしまうこともありません。
もちろん、食後の歯磨きも忘れないでください。
物を食べることができない場合は水分を補給するようにしましょう。
水分を摂ると空腹のために唾液が減少して乾いている口内を潤すことができますし、その水分で口内の細菌を洗い流すこともできます。
ただ、ジュースやコーヒーを飲んでしまうと逆に口臭の原因になってしまいます。
ガムを噛むのも有効です。
ガムを噛むとあごを動かすことができますから唾液が分泌されて口臭を抑えることができます。
ただし、ガムは砂糖を使っていないものを選びましょう。
虫歯や歯周病の原因になってしまいます。
キシリトール配合のガムがおすすめです。
空腹時の口臭は誰にでも起こるものですから、それほど神経質になる必要はありません。
ただ、やはり口臭は気になりますよね。
そんな時は上記の口臭対策を行ってみてください。
しかし、間食はもちろんガムを噛むことも仕事中などは難しい場合もあるでしょう。
そんな時は水を飲むか、水で口をすすぐだけでも効果があります。
マウスウォッシュなどを使うと、ただ水で口を注ぐよりもなお効果的です。
歯磨きも膵液を原因とする口臭には効きませんが、口内の細菌の増殖を抑えることができるので一つ目の原因を抑えることができます。
食事の後3時間ぐらい経過した時に歯を磨くと、空腹時の口臭を抑えるのに役立ちます。
唾液を分泌するためには、しゃべることも有効です。
仕事中のお喋りはおすすめできませんが、可能なら人と喋って唾液を分泌するようにしましょう。