甘い口臭は・・・もしかして糖尿病?

体臭相談室

口臭から糖尿病を発見することもあります

口臭には様々な原因があります。
口腔内に異常がある場合のほかにも、耳鼻科系の病気や呼吸器系疾患、消化器系疾患など様々なパターンがあります。
そのうちの一つが糖尿病によるものです。
糖尿病になると独特の口臭がしますし、口臭から糖尿病を発見することもあります。
糖尿病は生活習慣病の一つで、平成25年の厚生労働省の調査によると男性の16.2%、女性の9.2%が糖尿病にかかっており、50歳を過ぎると急増します。
糖尿病と口臭の関係を探ってみましょう。

糖尿病とは

インスリン注射

糖尿病になるとインスリンが正常に働かなくなります。
インスリンとは膵臓で作り出されるペプチドホルモンの一種で、糖を分解してエネルギーを作り出し血糖値を正常に保つ働きがあります。
糖尿病にかかるとインスリンの働きが正常でなくなるために血糖値が高くなり、食事などから摂取したエネルギーを正常に代謝できなくなってしまうのです。
糖尿病には1型2型があります。
1型糖尿病にかかる人は全糖尿病患者のうち10%にも満たず、若年層に発症することが多いのが特徴ですが、高齢者でもかかることがあります。
膵臓がインスリンをほとんど作ることができなくなるため、インスリン注射が必要になります。
2型糖尿病では、膵臓の作り出すインスリンの量が足りていないか、インスリンの働きが弱くなります。
糖尿病というと甘いものを食べすぎたり肥満だったりということが原因だと思う人が多いかもしれませんが、一部遺伝も関係しており必ずしも本人のせいとは言い切れません。
2型糖尿病は食事指導と運動、内服薬、インスリンによって治療を行います。
50歳を過ぎてから発症することが多いのが2型糖尿病です。

糖尿病でなぜ口臭が発生するのか

糖尿で口臭

糖尿病になると糖を代謝してエネルギーを作り出すことができないので、その代わりに脂肪やたんぱく質を代謝してエネルギーを作り出します。
そのため、糖尿病になると痩せてくるのです。
その脂肪やたんぱく質を代謝する時にはケトン体という物質が産生されます。
このケトン体にはアセトンという物質が含まれていて、そのアセトンが口臭の原因となるのです。
アセトンはリンゴが腐ったような甘酸っぱいニオイがします。
糖尿病以外にも、体内に糖が不足した時にもこのニオイがすることがあります。
また、糖尿病になるとのどが渇きやすくなりますが、これは唾液の分泌が減るためです。
唾液の分泌が減って口腔内が乾くとドライマウスという状態になります。
ドライマウスになると口腔内に細菌が増えて口臭が起こりやすくなります。

糖尿病による口臭の抑え方

口臭の抑え方

糖尿病による口臭を抑えるには、まず糖尿病の治療をきちんと行うことです。
適切な治療を行うことで体脂肪やたんぱく質の燃焼を抑えれば、アセトンによる口臭も抑えることができます。
治療の際に医師に相談すれば口臭を抑える方法を教えてくれることもあります。
また、糖尿病になると口腔内が乾き細菌が繁殖しやすくなります。
そして、細菌に対する抵抗力も落ちるため、虫歯歯周病にもなりやすくなります。
アセトン臭と歯周病のニオイが混ざるとかなりきつい口臭になりますから、虫歯や歯周病の治療も行いましょう。
虫歯や歯周病があるとインスリンの効きが悪くなることもありますから、糖尿病治療のためにも虫歯や歯周病の治療は必要です。
また、唾液を確保するために十分水分補給を行いましょう。

健康日本21推進フォーラムの調査によると、糖尿病と診断されても治療を行わずに放置している人が4割もいるそうです。
しかし、糖尿病は様々な合併症を引き起こすこともあり、早めの治療が必要です。
糖尿病を予防するには、日々の食べ過ぎや飲み過ぎを控え、食事の味付けを薄味にして規則正しく食事を取り、適度な運動をすることが大切です。
もし、健康診断などで血糖値が高いと診断されたらすぐに治療を行いましょう。

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