自分では気づいていなくても他人は気にしています
口臭は周囲の人に迷惑をかけてしまうものですが、厄介なのが自分ではなかなか気付きにくいということです。
自分で気付くことができればまだ対処のしようもあるのですが、自分が口臭を発しているかどうかが分からないのではどうしようもありません。
だからと言って周りの人も気を使って教えてくれないでしょうし、自分から口臭があるかどうかを聞くのも恥ずかしいものです。
どうして自分では自分の口臭に気が付かないのでしょうか。
また、どうすれば自分の口臭に気が付くことができるのでしょうか。
なぜ自分の口臭に気づかないの？
私たちは鼻でニオイを判断します。
他人の口臭や体臭には敏感に気が付きますよね。
しかし、自分の口臭には気が付きません。
これは、鼻にニオイの順応反応と呼ばれる性質があるからです。
私たちの鼻はずっと同じニオイを嗅いでいるとそのニオイに対して鈍感になる性質があるのです。
他人の家に行くと、その家独特のニオイがあるものですが、自分の家のニオイには気づかないのと同じことです。
これは、鼻にあるニオイを感じる嗅細胞というものが疲労して嗅覚が鈍ってしまうために起こるのだそうです。
味覚や聴覚といった他の外界の刺激を感じる器官に比べて、鼻の嗅覚は順応反応が最も強く現れるので、自分の家のニオイや体臭、そして口臭にも気づかないのです。
あなたから見て、かなり強い口臭を放っている人が平気な顔をしているのも、この順応反応のせいなのです。
あなたも自分の口臭に気が付いていないだけなのかもしれませんよ。
どうすれば自分の口臭に気が付けるの？
自分に口臭があるかどうかを確かめるために、コップに息を吐いてすぐに蓋をし、深呼吸をしてからそのニオイを嗅ぐ方法や、ビニール袋に息をためる方法などがあります。
この方法は、息を吐いた後に深呼吸するなどして一旦嗅覚をリセットしているので、たいていの場合この方法で気づくものですが、順応反応が強いとこれも無臭に感じてしまうことがあります。
そこで、客観的に判断する必要が出てきます。
市販の口臭チェッカーなどを利用するのもいいでしょう。
また、口臭チェッカーを買うのが面倒だという人には、ティッシュや脱脂綿に舌苔をつけて乾燥させたものを嗅ぐという方法もあります。
他にテレビで紹介されていた方法で、唾液をティースプーン2杯程と、舌と歯茎を拭いたガーゼを瓶に入れ、少量の水を入れた鍋に倒れないように置いて火にかけ、そのニオイを嗅ぐというものもあります。
口臭があると分かったら
上記の方法で自分に口臭があると分かったらショックですよね。
でも、何も知らずに他人に嫌な顔をされているよりはましだと思いましょう。
自分で気づくことができたら、それに対処すればいいのです。
口臭が起こる原因は様々なものがあります。
寝起きや緊張した時などの口の中が乾燥している時や、ニオイの強いものを食べた後などの口臭は、生理的口臭と言ってすぐに治まりますが、歯周病や内臓の病気が原因の場合は、病的口臭と言ってその病気を根治させないと口臭が治まりません。
早めに医師の診察を受けて、病気を治して口臭を改善しましょう。
自分では気が付きにくい口臭ですが、周りの人は確実に気が付いています。
日頃から家族や友人の態度や仕草を気にして、少しでもおかしなところがあれば口臭がないかチェックしてみましょう。
知らないまま放置しておくと、人間関係にまで亀裂が入ってしまうこともあります。
ただ、気にし過ぎるのも良くありません。
実際は口臭がないのに、あると思い込んで気に病んでしまう人もいます。
自臭症や仮性口臭症と言いますが、重度になるとうつ病や対人恐怖症に陥ってしまうこともあります。
その場合は精神を受診する必要があるので、注意してください。
