レシチンについて

薬剤師が教える抗酸化物質 「レシチン」について

 

レシチンは細胞膜の原料となる栄養素で、老廃物の代謝に役立ったり、各種成人病を予防したりなど・・・幅広い範囲で活躍している抗酸化物質です。

大豆と卵黄という身近な食材に多く含まれていますから、上手く食生活を工夫することで摂取が可能です。
同じレシチンでも、大豆に含まれるものと、卵黄に含まれるものには少し働きが異なりますので、このあたりも興味深い点ですね。

このレシチンについて、分かりやすく解説しました。

レシチンの歴史

大豆の代表的な成分であるレシチンは、1717年に脳の成分として発見されました。
レシチンという名前が付けられたのは1850年のことです。フランスのゴブリーという学者が卵黄からリン脂質を分離して得られたこの物質に、ギリシャ語で卵黄を意味するレシチンという名前を付けました。
その後、大豆油の精製工程で濁りを取り除くために大豆原油の中にある粘質物を分離し、そこからレシチンを取り出す方法が発見されました。

レシチンは食品添加物として、身近な様々な場所で活躍している栄養素です。もともとは、マーガリンが過熱した時にはねないように加えられたり、チョコレートの滑らかさを増すために加えられたりしていました。
最近ではフライ麺を生めんに近い風味にするためにも利用されています。他にも工業製品や化粧品、医薬品としても利用されています。

レシチンの作用を世界で初めて確認したのは、酸欠発ガン理論で有名な横田良助医学博士です。
横田博士は昭和30年からレシチンの臨床実験を行い、若さを保ったり、成人病の予防に役立つ力を発見しました。

レシチンの作用

レシチンの作用には4つのものがあります。

まず、レシチンは細胞膜の原料となりうるため、栄養の吸収や老廃物の排泄を高める力があります。
細胞を活性化させるための栄養の吸収を滑らかにするため、膵臓の働きも高めます。
すると、インスリンの分泌が活発になり糖尿病の予防になります。また、肝臓や腎臓の機能も高めてくれ、健康維持に役立ちます。

レシチンには悪玉コレステロールが血管壁に付着するのに対抗する力もあります。
また、血栓を溶かしてくれ、その結果血流が良くなり動脈硬化や高血圧を防ぐことができます。

レシチンは脂肪の代謝を促進し、肝臓に脂肪が溜まることを防いで脂肪肝や肝硬変の予防にも役立つと言われています。

さらにレシチンには、記憶力や集中力を高めることが期待されています。
レシチンにはアセチルコリンという記憶をつかさどる神経伝達物質の生成を促進する力があるので、アルツハイマーや痴ほう症の方にも実感が期待出来ます。

レシチンを多く含む食品

レシチンは大豆や卵黄、ウニ、ウナギ、銀杏、レバーなどに多く含まれています。
特に大豆と卵黄には多く含まれており、それぞれに特徴があります。

大豆レシチンは血液中にとどまる時間が長く動脈硬化や高脂血症の予防、改善やダイエットをサポートする力が期待できます。
それに対して、卵黄レシチンは神経系を正常に働かせる成分のホスファチジルコリンが多く、脳に良いと言われています。

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